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こんにちは!島フクロウです。
今日紹介する本は呉 勝浩さんの【爆弾】です。
【爆弾】
ちょっとだけ紹介こんな感じです・・・
「名前。ほんとのやつを教えてよ」
「あ、刑事さん、よく疑われるんですけども、わたし、正真正銘スズキタゴサクっていうんです」
「あのさ、嘘でも起こる気はないし、調べたらすぐわかるよそんなもん。」
刑事にも取調室にも動じている様子は全くない。
「まあいいや」
「で、スズキさん。酔っ払って酒屋の店員を殴ったってのほんとなの?」
「天地神明に誓って真実です。」
「殴られた店の人、治療費さえ払ってくれたら騒ぐ気はないと言っているんだけどね」
「お幾らくらいかかるんですかね」
「10万も包めば恰好がつくんじゃないか」
「10万は逆立ちしても不可能です」
「こういうのはどうですか?刑事さんの役に立つんで、何とか被害者の方を説得してもらうというのは」
「昔から霊感に自信がありまして、事件が起こる前に事前に予知して伝えられるかもしれません」
まだ酔っているのか?
「うーん、なんか閃きそうです。多分10時に秋葉原の方できっと何かありますよ」
「おい、何を言っている?いい加減にしてくれ。冗談になってない」
ドアが開く。荒々しく風が吹き込み、耳元に叫ぶいきおいでささやいた。
秋葉原で爆発です。詳細は不明。
「刑事さん。わたしの霊感じゃあここから三度、次は一時間後に爆発します」
※【爆弾】より引用して、筆者が一部可変しています。
あらすじ
居酒屋の店員を殴った罪で取り調べを受けていたスズキタゴサク。
取り調べ中に、「自分は霊感があり何か事件が起こるのを予知できる」といい
「10時に秋葉原のあたりで何か起こる」と予知する。
すると、本当に秋葉原で事件が起こった。「爆発」という事件が・。
さらにスズキは、「ここから三度、次は一時間後に爆発する」という。
スズキの霊感は本物なのか?それともスズキの計画的犯行なのか?
●印象に残った言葉
半獣半人は、人間と、つまり自分自身と似通っているから怖いんです。
著者:呉 勝浩 「爆弾」より
人間のような部分があるからおぞましいんです。まるでおまえと化け物は、そんなに変わらないんだぞ、むしろおまえが化け物の出来損ないなんだぞっていう、そういう恐怖があるんじゃないかと思うんです。
人間と化け物なんて、たいしていちがわないっていう恐怖が」
「人の心をのぞける能力があるとします。これは一見、とても便利に思われますが、よくよく考えるとだいぶ怖い。相手の心をのぞけるってことは、相手の汚い部分から逃げられないってことですからね。
著者:呉 勝浩 「爆弾」より
- 著者:呉 勝浩
- 出版:講談社
- ページ数:425p
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも本選びの参考になれば幸いです。
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